命を分けたきみと、人生最後の夢をみる 完結 全3巻 読みたい

あらすじ・ネタバレ

◆概要
ある日、交通事故でなくなった男女の高校三年生は、天国でどちらかの余命が1年だけあると知り、お互いが命をわけて余命半年を生きるようになるが、｢幸せ｣を感じる事に余命が縮まるというシステムで、一日一回はお互い会わないといけない制約付きの中、余命を知りながら生きる2人の物語である。

◆おすすめする人
・純愛が好きな人
・映画　私の中の消しゴム　が好きな方
・切ない物語を読みたい方

◆あらすじ
ある日、高校生男女がトラックにはねられ、死亡した。しかし、天国に繋がる階段で、天使に、どちらかの余命が1年あるが、どっちの余命かわからないと言われた。お互いが自分のだと主張し、結局、余命を分けることになった。そのため、二人の余命はわずか半年となる。また、制約として、お互いが1日に一回会うことと幸せを感じる事に余命が減ることがある。
主人公の美奈は好きな先輩に会うたび、寿命が減っていく。先輩といい雰囲気になっても、寿命が気になり楽しめないでいた。
一方の大夢は寿命が減る様子がない。美奈はそれが気になり、理由を聞くと｢初恋の女の子に会うまで死ねない｣という。
そんなある日、大夢の家で見た写真で、大夢が会いたがっていた女の子は美奈だと知る。大夢は好きな女の子を死なせてしまうなんてと落胆したが、お互いの余命を二人で幸せに過ごそうと決意する。そのため、どんどん、二人は幸せになり寿命も縮んでいく。
美奈のが先輩との関係もあり、寿命が減っていたため、美奈が先に死ぬ最後に二人で過ごす日となった。
そこで、大夢は美奈に自分の残りの寿命を譲渡し、美奈は一人残された。
ひとり残された美奈は大夢のことを胸に、最後まで楽しく生きようと決意し、過ごす。
最終日、お父さんに｢いってきます｣といつも通りいい、最終日、友人と思いっきり遊んで、死んだ。
しかし、天国で待っていた大夢とともに、幸せそうに天国への階段へと上り始めるのであった。

◆おもしろポイント
幸せを感じると寿命が減っていくため、美奈と大夢が付き合ってから、寿命が経るごとにお互いが幸せだと感じていることがわかり、嬉しい半面、自分のせいで寿命が減っていることが切なく、心がぎゅーっとなる。愛している相手の目に見える犠牲を見るのはとても苦しくつらいことである。感情移入してしまい、思わずこちらまで涙が出てきてしまう。
最終的には二人で天国に行くというハッピーエンドであったが、二人が生きていたらもっと楽しいことができたんじゃないかとも想像でき、やはり胸が苦しくなる。
3巻で短く、綺麗にまとまっているため、とても読みやすい作品だ。切ない気持ちになりたい人にはおすすめの漫画である。