トワイライト・トーン 完結 全1巻 読みたい

あらすじ・ネタバレ

◆概要
コンピューターによって行動を制御されたクローン動物だけの動物園で起こる事件を巡ったミステリー漫画。

◆おすすめする人
・SF漫画が好きな人
・動物や幻想の生き物が好きな人

◆あらすじ・ネタバレ
園内の全ての動物がクローンであり、コンピュータによって行動が制御されている未来の動物園「フリーダム・パーク」。そこで働く青年「シェス」は愛犬の「ウィル」と共に動物たちの世話をする仕事に精を出していた。
ある日檻の中のライオンの一頭が、命令も出していないのに突然攻撃的になり来園者に襲いかかろうとする事件が発生する。シェスを含めた動物園職員たちは、コンピュータのシステムトラブルである可能性を探って原因を究明し始める。そんな中シェスはクローン技術と生体コントロールの基礎を作った高名な学者「バベッジ」に遭遇する。ウィルがバベッジに唸るのを見て不審に思うシェスだが、事件の究明に取り掛かり始める。
事件の手がかりが掴めないまま時間が過ぎ、諦めかけていたときまたしても一部の動物たちが攻撃的になり暴れる事態が勃発する。動物たちの行動を見たシェスは、何者かによって意図的に彼らが攻撃的にさせられていることを確信する。最近新しく導入されたプログラムを調べたシェスは、それがバベッジによって作られたものであることを突き止め彼のもとへ赴く。
バベッジの研究室を訪れたシェスは事件を起こした理由を問いただす。バベッジは「生きることは本来残酷なこと。攻撃的な本能があることこそ本来の動物の姿である」と述べる。シェスは「命令された本能など残酷なだけだ」とバベッジを否定するが、研究室内の狼が突然攻撃的になりバベッジを襲う。シェスも殺されかけるが、寸前のところで狼は攻撃をやめる。その狼の行動プログラムは、シェスの愛犬ウィルの行動を基にしたものであることを明かしバベッジは息絶える。助けに来た職員たちとウィルの姿を見ながらシェスは、動物たちにとって本当の幸せとは何かについて考えを巡らせるのであった。

◆おもしろポイント
生物や自然と人間の関わり方などをテーマにした短編7話をまとめたオムニバス。動物たちの他にもケンタウロスや妖怪など想像上の生き物も登場し、哲学的な示唆を含んだ内容の濃いストーリー展開となっている。