フォスティーヌ 完結 全4巻 読みたい

あらすじ・ネタバレ

◆概要
ジプシーの娘として育てられたお転婆娘フォリーがひょんなことから貴族のフレデリックと出会い、彼にピアニストの才能を見出され、貴族の娘として教育を受ける中で、身につけていたペンダントを手がかりに隠された出生の秘密が明らかになる。

◆おすすめする人
・シンデレラストーリーが好きな人
・ハッピーエンドの物語が読みたい人

◆あらすじ
ジプシーとして様々な土地を旅するフォリーはお転婆だけどピアノが得意で皆の人気者。
ジプシー一座のお頭である父と優しい母、いつもそばでフォリーを見守る兄のミルコに囲まれて幸せな日々を過ごしていた。
そんなフォリーの夢はいつか音楽の都と謳われるウィーンでピアニストになること。
だがフォリーの両親は頑なにウィーンに近づくことを拒み、フォリーにも音楽への夢を諦めるように言い聞かせていた。
ある日フォリーはひょんなことで貴族のフレデリック・ブランシェと出会う。
フレデリックはフォリーが身につけていたペンダントに興味を示し、フォリーがピアニストになりたいと思っていることを知ると、彼女を教育するために自らの屋敷に引き取ることを決める。
ブランシェ家で貴婦人としての教育を施されるフォリーは、ピアニストとして急激に成長していくが、初めてであるはずのウィーンでの生活に奇妙な懐かしさを覚えていた。
フォリーのペンダントに隠された秘密とは？大公家とブランシェ家をも巻き込む嵐が巻き起こる！

◆おもしろポイント
ジプシーとして育ったフォリーの出生の秘密を軸に、フレデリックとの恋の行方と、ピアニストとしてのフォリーの成長を描く。
フォリーが身につけていたペンダントが手がかりとなって、彼女の両親、そして大公家とブランシェ家にまつわる重大な秘密が明かされていくのだが、それはフォリーの未来と、フレデリックとの恋の行方にも関わる大きな秘密だった。
当初は素朴なジプシーの娘だったフォリーが、ブランシェ家での教育によって見違えるような貴婦人になるあたりはシンデレラストーリーといえるが、紆余曲折を経たのちに実はウィーン大公の娘フォスティーヌだったことがわかり、大きな犠牲を払いながらも正真正銘の姫として大公家に引き取られる流れはまさに王道の貴種流離譚の展開。
ラスト近く、フレデリックが意を決し教会から花嫁であるフォリーを奪い去り、すべてに決着をつけようとする姿に胸を熱くせずにはいられない。
身分高い姫となっても自由に生きたいと願うフォリーと、彼女を愛するがゆえに自分自身を縛り愛を貫けずにいたフレデリックが、ともに幸せになれる未来はあるのか？！