こんぺい荘のフランソワ 完結 全1巻 読みたい

あらすじ・ネタバレ

◆概要
いつか世界中の子供たちに愛される絵本を描くことを夢見る売れない挿絵書きの楽子は、なんとかなるさケセラセラをモットーに、大好きなこんぺい荘の仲間達や編集の雉田さんに見守られて毎日明るく前向きに頑張っていたが、ある日仕事先の出版社が潰れてしまい…？！

◆おすすめする人
・ほっこりしたい人
・かわいらしい絵柄が好きな人
・王道の乙女チックな少女マンガが読みたい人

◆あらすじ
売れない挿絵描きの楽子は絵本作家になることを夢見ながら、大好きなこんぺい荘の仲間達や出版社のもろい書房の皆に囲まれて、貧乏だけど楽しい毎日を送っていた。
ところがある日もろい書房がつぶれてしまい、仕事を失った楽子は様々な出版社に原稿を持ち込む日々を送る。
だがなかなか採用されないまま、とうとう貯金が底をついてしまい、お金の大切さを痛感した楽子は生まれて初めてのアルバイトを始めるが、仕事先のデパートで接客を任されたものの、絵を描く以外の仕事は初めての上に、もともと不器用な楽子は何をやっても失敗ばかりで、とうとう半日でクビになってしまう。
自分が何一つ満足に出来ない人間だったことを自覚して落ち込む楽子は考え事をしながら歩いていたせいで道に迷い、知らない町に入り込んでしまった。
そこで見た暖かい町の風景に慰め励まされた楽子は自分には絵を描くことしかないと知り、改めて絵本作家になるまで頑張り続けることを誓うのだった。

◆おもしろポイント
1982年に発表された作品だが、ふんわりとしたかわいらしい作風で今も根強いファンに支持されている。
主人公の羽衣楽子は売れない挿絵描きで絵本作家になりたいという夢を追いながら、持ち前の楽天的な明るさで困ったことが起きてもケセラセラ(なんとかなるさ)をモットーに、楽しい毎日を過ごしている。
このケセラセラというのんきで気楽なモットーが作者独特の女の子らしい絵柄とマッチして、作品全体が柔らかく温かいタッチで表現されている。人物だけでなく、建物やそれを含めた風景や小物に至るまでいちいち可愛らしく、楽子が住むこんぺい荘はもちろん、楽子が迷い込んだ町にあるかわいらしい窓の家など、コマの隅まで読み込んで絵を楽しんでもらいたい。
また楽子を見守る登場人物も皆優しくて温かなキャラクターで、1ページも不快感を感じることがない。
読んだあとに胸がじんわりとするようで、年代を問わずすべての女性に勧めたい作品である。