片想いの牢獄で 完結 全1巻 読みたい

あらすじ・ネタバレ

◆概要
歪んだ性的トラウマに苦しみながら必死に生きる人々の姿を描いた短編漫画。

◆おすすめする人
・いじめや虐待の問題に関心の高い人
・一風変わったラブストーリーが読みたい人

◆あらすじ・ネタバレ
中学生の少女「比奈子」は、受験ノイローゼに苦しむ兄「智史」に毎日のように暴力や性的嫌がらせを受けていた。
比奈子が唯一リラックスできるときは、愛犬ソラの散歩のときだけであった。ある日散歩中にソラがいなくなり必死で探す比奈子は、同じクラスの男子「小日向」とソラが一緒にいるところを発見する。小日向に礼を言いそびれた比奈子は彼のことを気にかけ始める。
不登校の小日向に学校のプリントを渡す名目で比奈子は彼のアパートを訪れる。ソラを保護した礼として、小日向はソラが彼になつくまで一緒に部屋に来ることを比奈子に要求する。小日向の部屋を訪れるうちに比奈子は、彼がほとんど一人でアパートに住んでいることを知りいろいろなことを彼と話すようになる。小日向が家庭用のプラネタリウムを見せてくれた際、比奈子は兄に虐待を受けていることを打ち明ける。小日向は「行くとこないならウチに来たら」とだけ告げて比奈子を励まそうとする。
小日向の言葉に勇気付けられた比奈子は、初めて智史の要求を拒絶する。しかし逆上した智史は比奈子だけでなくソラにも手を上げてしまう。智史の蛮行に怒りを感じた比奈子はフライパンで智史に襲いかかるが失敗する。小日向のアパートに逃げ込んだ比奈子は必死の思いで彼に助けを求める。小日向は比奈子から受け取ったフライパンで智史を撃退し彼女を救出する。
智史に怪我をさせたことで引っ越すことになった小日向を見送るため、比奈子はソラをつれて再び彼のアパートを訪れる。小日向はプラネタリウムを比奈子に渡し、ソラをなでて笑い町を去る。自分の部屋に戻った比奈子はプラネタリウムを起動させ、自分を守ってくれた小日向のことを思い出し「ありがとう」と静かに呟くのだった。

◆おもしろポイント
親族からの性的虐待や不倫の恋など性の悩みを抱えた人々の姿を描いた短編漫画。暗く重い事情を抱えながらも、必死で幸せを掴もうとする人間とそれを支えようとする人間の間で芽生える信頼関係に元気をもらうことができる作品。